高校生や大学生から絶大な人気を誇る日本のプチプラコスメブランド。ドラッグストアなどで気軽に買えることに加え、多くの商品が1,000円以下ながらクオリティが高いと評判を集めています。
そんなプチプラブランドのおもな情報発信源となっているのがインスタグラム。新商品の紹介に留まらず、その新商品をどのように使ったら可愛くなれるのかなど、使い方のコツや秘訣が詳しく書いてあります。
今回はプチプラブランドの中でもとくに若者層から人気があるCANMAKE、セザンヌ化粧品、エチュードハウスのインスタグラムに注目。それぞれのブランドはどのような投稿を展開しファンを獲得しているのか。そのマーケティング手法を見ていきましょう。
Point1
マスカラの塗り比べ動画で違いをわかりやすく伝える
安くて可愛い、コスパがいいのにクオリティが高いと評判のキャンメイク。多くの中学生や高校生の女子たちにとって、なくてはならないブランドとして不動の地位を確立しています。
とくにマニキュア、クリーム状のチーク、パウダーの人気アイテムは、有名コスメ口コミサイトの「@コスメ」でも、ベストコスメとして評価されています。
こちらのインスタグラム動画では、新商品と王道の定番マスカラの2つを比較しています。モデルがまつげにマスカラを塗っているシーンが見られるので、ビフォー&アフターが比較しやすい構成になっています。
ファンの中には、新しいマスカラが欲しいけれど、どれが自分に合うのかわからないという悩みを持つ方が少なくありません。このような短い動画でサクッと違いがわかれば、購入に対する興味を一瞬でグッと惹きつけられますね。
Point2
投稿文にも注目!若者の心をくすぐる言葉選び
こちらのインスタグラム画像は、大人気のマニキュアシリーズの広告です。イメージモデルに若者層からの支持を集める河北麻友子さんを起用し、華やかな世界観を作り上げています。でもここで注目してほしいのはモデルではなく、投稿文。メッセージにちょっとした“ひねり”があることに気づきましたか?
それは「SNS映えする指先」というフレーズ。
この言葉があるかないかで、ターゲット層である中高生の関心度は大きく変わることが予想されます。「インスタ映え」は、おしゃれに敏感な女子たちにとって気になるキーワードのひとつ。そこで「SNS映え」というフレーズを使うことで、「これ可愛い!これ塗ってインスタにあげたい!」というインサイトを引き出しているというわけです。
画だけではなく、投稿文もひとつひとつ丁寧に考える必要がありますね。
Point3
ハッシュタグでファンとそのフォロワーを巻き込む、インスタキャンペーンテクニック
セザンヌ化粧品もキャンメイクと同様に若者層からの人気が根強いプチプラコスメブランド。1200万個の売り上げを誇るベストセラーのファンデーションは、ワンコインの500円で買えることから、高校生のときに初めて買ったファンデーションはセザンヌだったという方も多いのではないでしょうか?
セザンヌ化粧品のインスタグラムでとくに目を引くのが、ハッシュタグキャンペーンです。化粧品会社側が特定のハッシュタグを設定し、そのタグでつぶやいた人の中から抽選で新商品のプレゼントを行うというサービスを展開しています。
大人気の化粧下地の企画で、「#冬も皮脂テカ」というハッシュタグでキャンペーンを実施したセザンヌ化粧品。合計44もの投稿が集まり、ファンたちがいかに日頃からセザンヌ化粧品を愛用しているか感じられる投稿が集まりました。
このようにファンが自ら投稿することは、キャンペーンそのものはもちろん、ブランドの知名度と好感度の拡散にも繋がります。セザンヌ化粧品に興味がない、知らない人がキャンペーンの投稿を見たら「面白そうだな」と、ファンになるきっかけを与えることができます。このようなキャンペーンは、二次拡散という面で効果的なのです。
Point4
今の悩みを狙い撃ち!ファンの日常に寄り添うメッセージを
韓国初のプチプラコスメで、韓国コスメブームの火付け役となったエチュードハウス。韓国の最大手化粧品会社のアモーレパシフィックという会社のブランドで、日本では現地法人のアモーレパシフィックジャパン株式会社が日本での販売を担っています。
女子のワクワクした心をくすぐる、可愛くてポップなデザインが特徴的。ポーチに入れておくだけで、何気ない毎日が楽しくなるパッケージも人気を集めています。
こちらの画像は、肌の色のトーンによって使い分ける化粧下地の投稿です。この商品を紹介するためにエチュードハウスが行ったのは、ファンの悩みに寄り添うこと。
「週のはじめは「緊張」から来る疲れが溜まりやすいみたい😿💦‐ふと鏡をみた時「顔色が悪い」「くすんで見える」と感じたことある方❣️‐そんな時はクッションタイプのカラーコントロール下地を使ってみて☝️」という文章が添えられています。
もしもこのインスタグラムを見たファンが、「最近顔色が悪くて、どうしようか悩んでいたところだった」「月曜日は憂鬱だから顔がくすんで見えがち」という悩みをリアルタイムに抱えていたら、使ってみようかな、という気持ちになりますよね。
現に7,000以上のいいね!がついていることからも、共感している人が多いことがわかります。
Point5
より華やかに!より鮮やかに!あえてカラフルな背景を使う
エチュードハウスは言葉選びだけではなく、画像の演出にも力を入れています。こちらはスティックタイプのアイシャドウの紹介画像。アイシャドウの色がよくわかるように、背景に白を使うことをあえて避け、色がより目立つ背景色を選んでいることがわかります。
色には色相環と呼ばれ、虹色の並び順があり、対になる色同士の組み合わせを補色と呼びます。例えばオレンジ色と青は補色の関係にあり、ふたつを組み合わせることで、お互いの色をより強調させる効果があります。
実はこのアイシャドウの画像も補色の理論を応用しています。オレンジは青、緑はピンク、紫は黄色が補色であり、画像内のアイシャドウに適用されています。背景に白を用いるよりも、より色のニュアンスやテクスチャが伝わりやすくなっているのです。
ちょっとした工夫がファンの心を惹きつける!
投稿する文章をユーザーの悩みに寄り添ったり、画像に工夫を凝らすなど、ちょっとした改善をするだけで、ユーザーのエンゲージメント率は上がり、インスタグラムにおける影響力が高まっていくことが期待できます。
思わず買ってみたくなるような画像と文章を考えることは、インスタグラムの運営における重要なポイントです。またこれらを知るためには、初めから完璧な運用をするのではなく、いろいろな投稿をし、どのような投稿がフォロワーから評判がいいのかを見極めていくことも大事ですね。
今回のプチプラブランドのインスタグラム運用例を参考にしながらファンを獲得し、購買につなげてみてください!
また、女性向けガールズインフルエンサーをはじめ、マーケティング活動のヒントとなる情報をまとめたeBookをご用意しました!
こちらも参考にしてみてください。