私たちが普段口にしている食べ物に関わる業界にも、たくさんの種類があります。たとえば、食品メーカー、飲料品メーカー、レストラン、食料品専用の通販、フード系スタートアップ、カフェ、スイーツ、フードメディア……どのジャンルの企業であってもやはり近頃盛んなのは、インフルエンサーマーケティングでしょう。

海外ではさまざまなフード業界がインスタグラムやブログなどのソーシャルメディアで有名なインフルエンサーを自社の宣伝に起用するのが一般的になりつつあります。さらに、最近では動画を使ったマーケティングも見られます。

例えば、アメリカの伝統ある新聞として有名なニューヨーク・タイムズ(以下、NYT)は、NYT Cookingと呼ばれるクッキングメディアを運営しています。

こちらでは旬なレシピを紹介するだけでなく、美しい料理動画、クッキング業界での有名人をコンテンツに起用しています。さらに、レシピページには読者がコメントできる機能も。レシピはシンプルで、すぐに作れるものを中心とした特集も充実しています。

「料理動画はYouTubeで見ればいい」と考える人も多い一方で、コンテンツに高いクオリティーを保つこと、作りやすさが重要だということもうかがえます。

では、他のフード業界ではどのようなインフルエンサーマーケティングの取り組みがあるのでしょうか。

1. オープンしたてのレストランとマンモスインスタグラマーのタッグ

ニューヨークのマンハッタンに店を構えるレストラン、Springbone Kitchenというレストランはオープンして間もない頃、ニューヨークのおすすめグルメを紹介するインスタグラムアカウントに店の料理の掲載を依頼しました。

そのアカウントは、80万人のフォロワーを獲得している@ ny.foodie。「#newforkcity」というハッシュタグをつけて、自分のアカウントでニューヨークのグルメを紹介すると、このアカウントに写真が投稿される仕組みになっています。

実際に、こちらのSpringbone Kitchenの投稿には@ ny.foodieと#newforkcityのタグが見られます。これがny.foodieのアカウントに投稿される仕組みになっています。 そして投稿されたものがこちらです。

Springbone Kitchenの料理の写真が掲載されてすぐ、オーナーのEcksteinさんは新しい客が来たなと感じ始めました。このインスタグラムの効果により、お店の売り上げは5%ほど上がったとのことです。

出典:「How A New York Restaurant Uses Instagram Influencers To Drive Sales」

2. 食品メーカーとインスタグラマーのタッグ

インスタグラム「@ restoring_radiance」を運営するlex daddioさんは、アメリカ南部バージニア州在住のフードインスタグラマー。体に優しいヘルシーな料理の写真を日々インスタグラムに投稿しており、フォロワーの数はおよそ9万3000人にものぼります。

lex daddioさんのインスタグラムの投稿で注目すべきなのは、食品メーカーとのパートナーシップ投稿。メーカー側が提供した商品をもとに、lex daddioさんが調理・投稿しています。今回はヨーグルトメーカーのsiggi’sを例としてご紹介します。

日本語訳:「私のお気に入りの午後のおやつです。ショートケーキを思い出させるのは言うまでもありませんよね。siggi’sのプレーン味にジューシーなイチゴ、自家製カシューナッツバター、塩味のチョコレートのグラノーラのコンボです。」

この投稿ではハッシュタグで「#partner」とあります。このタグから、lex daddioさんはsiggi’sとインフルエンサーマーケターとしてのパートナーシップを組んでいることがわかります。 依頼されたヨーグルトを用いながら、lex daddioさんらしいアレンジしてもらうことこそがインフルエンサーマーケティングの肝ともいえるでしょう。コメントにも「実際に似たような材料を使って作ってみた!」「美味しそう!ゴージャス!」という声がたくさん集まっています。

3. 勢いを加速させるフード系スタートアップ

 
①フード業界のAirbnb的な存在、ヨーロッパ発の「VizEat」

旅行先でローカルなグルメを楽しみたい時にこそ、最適なサービスである「VizEat」。こちらは「シェアリングエコノミー」のひとつであり、ホストは料理を振る舞い、ゲストは食べてみたい食事を振る舞ってくれるホストを選びます。 この「VizEat」は、著名なインフルエンサーたちを招待したあるホストの食事会について投稿しました。

日本語訳:「幸せな笑顔のみんなと美味しいブランチはVizEatのイベントに違いありません!ブロガーの皆さんはこのイベントに参加してくれました。そして、ホストのアンジェラさん、こんな素晴らしい食事を用意してくださりありがとうございます!」

自社の公式インスタグラムにブロガーたちが楽しむ様子を投稿。また、それぞれのブロガー個人のアカウントは、VizEatについての写真を載せています。これはブロガーのファンだけではなく、新しいファン層を形成していくのにも有効な手段の1つでもあるでしょう。

またVizEatは、フードインフルエンサーに関する新しいプロジェクトを開始しました。このプロジェクトについて公式Facebookにて告知されたところ、45のいいね!があり、12人のインスタグラマーとブロガーが参加意思を表明しました。こちらのプロジェクトの詳細はまだ未発表ですが、どんなものになっていくのか注目していきたいですね。

②新鮮な材料とおしゃれなレシピをお届けする「Blue Apron」
「Blue Apron」とは、オリジナルのレシピに対して必要な材料が決まった分量だけ送られてくるデリバリーサービスです。2012年にニューヨークで始まったスタートアップで、全米にサービスを展開しています。

そんな今流行りのスタートアップサービスのBlue Apronが、カリフォルニア州の歴史あるワイナリーとコラボレーションを果たしました。

「Benziger Family Winery」は、サンフランシスコ北部の自然豊かなGlen Ellenという都市でワイナリーを経営しています。1973年に始まったこのワイナリーは地元の人からの支持もあり、賞を受賞したことも。そしてソーシャルメディアでも人気を集めており、Facebookのいいね!数は15,074、Twitterのフォロワー数は14,000人にもなります。

Blue Apronは届いた材料を使いながら、スタッフが実際にワイナリーのぶどう畑で調理を行う中継動画を配信。この料理にはどんなワインが合うのかも解説しており、ワイナリーのFacebookだけでも83いいね!、15コメント、27シェア、6000回再生になりました。コメントには「美味しそう!」「食べ物とワインのいい組み合わせを教えてください!」などのコメントが多数ありました。

Blue Apronではレシピに応じた材料の配達がメインのサービスではあるものの、ワインやキッチン雑貨、Benziger Family Wineryのワインも購入が可能です。動画を観た視聴者に、ワインの購入を促すことができます。

③オンライン限定のオーガニック・スーパーマーケット「Thrive Market」
実店舗がなく、オンラインショッピングのみのサービス展開をしているオーガニック食品専門店、「Thrive Market」。対応ブランドは500を超え、オーガニック食品を日常的に食べる人にとってはとても便利なサービスであるといえるでしょう。

「Thrive Market」はロサンゼルス在住の日系アメリカ人ユーチューバーであるArika Satoさんをインフルエンサーとして起用。彼女の動画で自社製品を使った料理を披露してもらい、最後にお得なクーポンの紹介へと繋げます。

彼女の動画を見た人は、指定された割引コードを入力すると初めての注文が20%オフになるほか、さらに49ドル(約5000円)以上の注文では配送料が無料に。

サービスを使ってもらうためのきっかけとしてYouTubeで有名なインフルエンサーを起用。そして割引クーポンで購買意欲をかき立て、ユーザーへと導入する流れが自然と構築できている、いい例になるでしょう。コメント欄には117もの絶賛の声が集まっています。

大事なのは“ユーザーの日常にも取り入れられるかどうか”

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これまで紹介してきたフード業界のインフルエンサーマーケティングの大きな共通点は、ごく自然に自社製品をインフルエンサーにプロモーションしてもらうところです。食品は毎日食べるものであるため、いかに自社製品がユーザーの日常にとけ込めるかが大きなポイントになります。

「簡単にできる!」「食べてみたい!」と思わせるための「自然な投稿」が、やはりこれからのインフルエンサーマーケティングには欠かせないのかもしれませんね。

 
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こちらも参考にしてみてください。
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