みなさんは「インフルエンサーマーケティング」をご存知ですか?
インフルエンサーマーケティングとは、SNSなどで発言力・影響力のある人物を企業のプロモーション活動に起用し、その人のファンに購買や契約を促すマーケティングのこと。
日本で徐々に盛んになってきているマーケティングですが、海外では数年前から積極的に有名企業やブランドがこの手法を取り入れてきました。ツイッターやインスタグラムなどのSNSを積極的に使いながらインフルエンサーマーケティングを実施していくことで、フォロワー数を着実に増やしていけるのが特徴です。
特に大きな効果が見られるのが、化粧品業界。たとえばM・A・Cはインスタグラムのフォロワーが1億人、メイベリンニューヨークは500万人。スマートフォンを日常的に使うユーザーは、もはや情報収集はホームページではなく、SNSからというのが主流なのです。
海外のインフルエンサーマーケティングと日本
日本でも「C CHANNEL」などのインフルエンサーマーケティングを得意とする動画系のメディアが海外進出をするようになってきました。今やセレブやモデル、大女優を広告塔に起用するだけがマーケティングの手法ではありません。ユーザーの関心がスマートフォンに移ってきている今、スマホに合ったマーケティングが求められています。
たとえば、海外の有名コスメブランドでは、有名YouTuberやブロガーなどのインフルエンサーとタッグを組むことがこの数年で急増しました。ランコム、M・A・C、レブロンなど、世界的に有名な化粧品ブランドが積極的にインフルエンサーマーケティング手法を活用しているのです。
インフルエンサーは、自分のチャンネルやSNSで商品の紹介をするだけではありません。ブランドのホームページやYouTubeチャンネルに出演することはもちろん、自分のチャンネル内で商品を使った企画を立ち上げるケースなど、その活動はさまざまです。
海外のインフルエンサーマーケティング事例
では実際に、海外の化粧品ブランドのインフルエンサーとのコラボレーション事例を見ていきましょう。今回はアメリカとカナダの人気YouTuberの3人の方と有名化粧品ブランドのコラボにフォーカスしました。
①マットコスメの新星Colour Pop×大人気韓国系アメリカ人YouTuberのJenn Im
アメリカの美容YouTuberの間で知らない人はいないといっても過言ではない、Clothesencountersを運営するJenn Imさん。彼女は韓国系アメリカ人で、顔の特徴を生かしたメイクを得意としています。SK-IIのイベントをはじめとし、世界各国で開催されているビューティ・イベントにも招待されるほどの人気者です。
YouTubeの登録者数は、180万人、Instagramのフォロワー数は140万人です。
そんな彼女がコラボしたのは、アメリカの若者の間で人気が急上昇のColour Popです。オンライン通販でしか購入ができないにもかかわらず、クオリティの高さと驚くべき値段の安さで評判です。
彼女が開発したJenn Ne Sais Quoiは、4種類のアイシャドウとリップグロス。オレンジ感が強めのブラウンメイクに最適なアイテムです。Jennさんのファンの間でも絶賛の声がたくさんありました。ハッシュタグは#JennNeSaisQuoiで、アメリカだけではなく、タイなどの海外でも購入者がいるほどでした。
got my #JennNeSaisQuoi in the mail today @imjennim! can't wait to try these gorgeous shadows out 😍😍😭💕 pic.twitter.com/3o0fv9dRbs
— Nicole V. (@KneecoleV) September 14, 2016
日本語訳:「今日、#JennNeSaisQuoiのコスメが届きました!こんなゴージャスなアイシャドウを試すのが待ちきれない!」
Ready for friday night using @imjennim @ColourPopCo collection #JennNeSaisQuoi #JennerationX #colourpop #makeup! 💋 pic.twitter.com/vOhVSMAYRU
— Nicole Belle (@nicqueenstyle) June 17, 2016
日本語訳:「金曜の夜は#JennNeSaisQuoiのコレクションで準備万端!」
インスタグラムの#JennNeSaisQuoiの投稿数は1400を超えています。時にはネガティブな声ばかりが集まってしまうYouTuberと有名化粧品ブランドのコラボですが、このJennさんのプロデュースコスメは大盛況でした。
②世界で圧倒的人気のM・A・C×若者から大人気のカナダのYouTuber、Samantha Ravndahl
日本でも絶大な人気を誇る、M・A・Cの化粧品。多くの有名人ともコラボしているM・A・Cは、インフルエンサーとのコラボにも積極的です。そこで今回、カナダの大人気YouTuberのSamantha Ravndahlと口紅のコラボが決まり、現在カナダ限定で発売されています。
彼女のYouTubeの登録者数は、701,779人、Instagramのフォロワー数は240万人。20代の女性からの圧倒的な支持を誇ります。
ハッシュタグは#macxsamantharavndahl。青みが強めのピンクで、夏にぴったりの口紅。発売から一週間も経たないうちに、#macxsamantharavndahlのインスタグラムの投稿数は150を超えています。
バンクーバーのM・A・C店舗でイベントもあったことから、早くもSamanthaさんのファンの間で話題になりました。
日本語訳:「あああ!あなたは最高にかっこいいわ、@ssssanthaa!なんというインスピレーションだろ!会ってくれてありがとう!新しい口紅も大好き!!」
日本語訳:「#macxsamantharavndahlのメイク!」
まだ発売されたばかりの口紅です。人気YouTuberのプロデュースというだけあって、今後どのように伸びていくのかが注目されます。
③日本でも大人気のRevlon×NY在住YouTuberのTess Christine
アメリカ・ミネソタ州出身で、今や大都会ニューヨークで活躍する美容YouTuberのTessさん。もともとはセレブのなりきりメイクで大学生の間で人気が上がっていった彼女は、今やヴィクトリアシークレットのショーの裏側でモデルたちへのインタビューを担当することも。YouTubeの登録者数は、220万人 、Instagramのフォロワー数は63万人。
日本でも有名で、ファンがとても多いRevlon。アメリカのRevlonでは公式ホームページでメイクブラシの紹介のためにTessさんを起用。ホームページに掲載されている動画にはもちろんTessさんが出演し、実際にメイクをしながら、ブラシの特徴、効果的な使い方を紹介しています。
TessさんとRevlonの関係は深く、ブラシのプロモーション期間が終わってからも、Tessさんの個人チャンネルで商品のスポンサーをしているのが何度も見受けられます。1回限りのプロジェクトのコラボレーションではなく、インフルエンサーと長い関係性を築けている良い例のひとつです。
ファンからもポジティブな支持が相次ぎます。日本でもYouTuberと化粧品ブランドのコラボ動画は増えてきていますが、残念ながら、アンチの声が多いのも事実です。一方でTessさんの動画はアンチの声は少なく、賛賞するコメントが多いのが特徴です。
「テス、本当に自然な美しさです!このメイクも大好きです!」
「本当に素敵な秋メイク!秋がもう少しで終わるのが悲しいくらいです。」
「テス・クリスティーンが大好き!!」
レブロン公式のツイッターアカウントでもこのようなツイートが。
Every time we watch this @TessChristine video we find more amazing tips & tricks! https://t.co/EGHeQlCUCv #ad
— Revlon (@revlon) October 11, 2016
日本語訳:「いつもTessのこの動画を見ると、素晴らしいメイク法やトリックを探せるの!」
まとめ
自分が持つコンセプトやモットーを大事にしながら、企業の広告塔になることは簡単ではありません。コンセプトを崩したら、これまで応援してくれたファンが離れる恐れもあります。ファンの心に寄り添いながら、商品の紹介をすることがインフルエンサーたちには求められています。
今回紹介した海外の事例では、ファンの心をがっちりとつかんで成功したケースです。商品のターゲットとなる、インフルエンサーのファンたち。企業側もそんなファンたちの傾向や考えていることを十分に理解することが求められています。それこそがインフルエンサーマーケティングの成功の秘訣なのです。
また、女性向けガールズインフルエンサーをはじめ、マーケティング活動のヒントとなる情報をまとめたeBookをご用意しました!
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